掛図

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プラハの3人の男

9月4日の記事で、チェコのプラネタリウムのハットピンを載せましたが、そのときチェコの「天文小間物」と同時に、「天文荒物」のことも思い浮かべていました。神聖ローマ帝国の首都プラハの一隅で、かつてあったであろう歴史ドラマ。1960年代頃、プラハの「…

掛図のある風景(後編)

ブルガリアの小学校の壁面を飾っていた博物掛図の数々。その中で目立つのが野生の哺乳類の掛図です。(画像再掲)子どもたちの人気者、シカやリスやライオン。これらの図で特徴的なのは、動物たちが自然環境下で暮らしているように、つまり動物の形態だけで…

掛図のある風景(前編)

先日本棚をゴソゴソやっていたら、こんな写真が出てきました。昔の理科室の写真です。(台紙29.5×35.5cm、写真17.5×23.5cm)理科室といっても、いろいろ理科の教材が並んでいるわけではなく、単に理科教育用の掛図が壁に掛かっているだけです。掛かっている…

ともづなを解け、帆を上げよ

今日は海の日。さっきeBayを流し見していて、ふと次のような商品写真が目に留まりました。ドイツで1970年代に使われた学校用掛図です。お値段は59ユーロ、日本円にして9,200円。とはいえ、この場合、ドイツも59ユーロもあまり関係がありません。そもそも、私…

ある星座掛図との嬉しい出会い、あるいは再会

七夕の短冊の件は、その後難渋していて、少し寝かせてあります。簡単なようでいて、正しい文章にしようとするとなかなか難しいです。 ★ここでちょっと話題を変えます。天文アンティークについてなんですが、最近は思わず唸るような品に出会う機会が減ってい…

アフリカの夢

流れのままに掛図の話題を続けます。一昨日の世界地図は、あまりこのブログになじまない感じがありましたが、同じ地図でも、ことのほか博物趣味を感じさせる品もあります。たとえば、以前大きな古いアフリカの地図を見たとき、ただちに昔の博物学者の書斎を…

センター・オブ・ジ・アース

掛図といえば、学校用の掛図をひと頃すいぶん買いました。今はそうでもないですが、ちょっと前は流通量が少なくて、珍しかったというのもあります。その中で幾分特色のあるものを見てみます。上の品は理科ではなく、教科でいえば地理、つまり地図の掛図です…

銀河の流れる方向は

(昨日のおまけ)「新撰恒星図」と、「銀河鉄道の夜」との関わりについて、一言補足しておきます。 ★これも以前の話ですが、「この物語を実写化するとしたら、こんな星図が小道具としていいのでは?」という問題意識から、その候補を挙げたことがあります。…

星座掛図は時をこえて(後編)

(昨日のつづき)(表装を含む全体は約83×105cm、星図本紙は約72×101cm)細部はおいおい見るとして、全体はこんな表情です。傷みが目立ちますが、こうして自分の部屋で眺めると感慨深いです。上の画像は、光量不足で妙に昔の写真めいていますが、それがこの…

星座掛図は時をこえて(前編)

ブログを長く続けていると、過去の自分と対話する機会が増えてきます。その中で、「あの時はああ書いたけれど、今になってみると…」とか、「あの時取り上げた品には、実は兄弟分がいて…」というように、複数の記事が響き合って、新たな意味が生じることも少…

庚申信仰

(今日は2連投です。前の記事のつづき)その干支のひとつに「庚申(こうしん/かのえさる)」があります。西暦でいうと、直近は1980年で、次は2040年。ただし、干支というのは「年」を指すだけでなく、「日」を指すのにも使います。だから旧暦を載せたカレン…

火の山へ

以前、書斎の写真集をめくっていて、「おや?」と思う光景を目にしました。(E. Ellis, C. Seebohm & C.S. Sykes、『At HOME with BOOKS』(Clarkson Potter、1995)より。ニューヨーク在住のStubb夫妻の書斎)よく見ると、中央の額も、足元に無造作に置かれ…

暦を買う

歳末の風物詩といえば、新しいカレンダーを買うこともその一つ。俳句で「暦売り」は、冬の季語となっています。 打ちつゞく 寒き好き日や 暦売 松根東洋城 ★皆さんはもう買われたでしょうか。もしまだの方は、こんな一風変わった品を検討されてはいかがでし…

掛図師のこと

(昨日のつづき)フィリップス社の掛図で気になるのは、あれは本当に掛図なのか?ということです。いや、もちろん掛図なんですが、当初から掛図として販売されていたのかどうか?…というのは、あの星図と同じものが、もう1つ手元にあるんですが、見た目がま…

涼しい星空…カテゴリー縦覧:掛図編

早くも六月、水無月。時の流れの速さはもう慣れっこですが、それにしても…と呆れます。 ★さて、今日は来たるべき夏を乗り切るために、涼味満点の星図を載せます。どうですか、この浅葱色の夜空の風情は。星図を吊るす棒の長さは125cm。正味のチャート部分だ…

螺旋蒐集(7)…存在の始原へ

夢枕獏氏の『上弦の月を喰べる獅子』は、「SFマガジン」誌に連載され、後に日本SF大賞を受賞しました。ですから、一般にはSF小説に分類されるのでしょう。ただ、いわゆるサイエンス・フィクションとは遠いテーマであるのも確かです。以下、作品の終盤…

月まろし

昨日は十五夜。今日もまだまだ丸い月が皓々と冴え返っています。これだけ月が明るくては、あに月の話題なかるべけんや。なにか満月にちなんだものはないかな…と、部屋の中を見回したら、月の掛図を見つけました。詳細は忘れましたが、たしか「これさえあれば…

オー・ソレ・ミオ!

イタリアといえば、以前、こんなものを手に入れました。これもジョバンニの教室をイメージしてそうしたのですが、結局出番がないまま、徒花で終わった品です。(軸を除いたサイズは約96×64㎝。傷みが激しく、紙が真ん中で折れてしまっています。)ご覧のとお…

明治の Kawaii 博物掛図

(一昨日の記事のつづき)いとおしい明治の博物掛図。その現物を手元において、その妙を味わう。常識的には難しい課題ですが、そこは蛇の道はヘビ。こんな可愛い抜け道がありました。 ■松川半山(註解)『博物図教授法(全)』 岡島宝玉堂、明治16(1883)再…

かぼちゃ、明治博物風。

今日は冬至。季節の風物詩、カボチャからの連想で記事を書きます。天文古玩的にカボチャというと、1枚の古い掛図が思い出されます。(明治6年刊、「第二博物図」。 出典: 国立公文書館デジタルアーカイブ http://www.digital.archives.go.jp/gallery/view/d…

ジョバンニが見た世界…ついに見つけた星座の掛図

「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊した大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指しながら、…

恐竜クラシック

昔の恐竜、今の恐竜。その変化から類推して、さらに「未来の恐竜」というのを思い浮かべました。で、「将来、恐竜はこうなる!」という予言記事を書いてみたらどうかとか、あるいは「2013、これが恐竜のニュートレンドだ!!」と煽りを効かせてみたらどうか…

ひっそりと眠る驚異の博物標本室

この頃は5時ともなれば、辺りはとっぷりと暮れ、しかも空気が乾燥しているせいで、おぼろな感じがなくて、黒々とした夜空が頭上に広がっています。今日、仕事帰りに西の空を見上げたら、駅舎の上にかっちりした三日月と金星が、並んで光っていました。何だか…

アトミック・エイジ

今日は近くの公園緑地を歩きました。あちこちに水色のオオイヌノフグリ、白いハコベ、黄色いタンポポが咲き、そこにモンキチョウが、つがいでひらひらと飛び、まさに春本番です。青空を白い雲が流れ、吹く風が心地よく感じられるぐらい温かい日でした。のど…

雲よ!

悲しい時、淋しい時、楽しい時、疲れた時、気分が高揚した時。雲は、折に触れて湧いてくる感情を托すのに、ふさわしい相手です。雲も、感情も、どこからともなく湧いて出るものだからでしょうか。心をよぎるのが感情で、空をよぎるのが雲。遥かな高みにある…

明治科学の月影さやか

今日は旧暦8月15日。残念ながら全天雲に覆われて、今夜は月の見えないお月見です。でもふり返れば、そこに真ん丸い月が。本棚にかかっているのは、明治40年(1907)発行の学校掛図。ラベルには「天文地文空中現象掛図 第一輯 六軸之内 五」とあって、天文・…

続・デロールの鉱物掛図

鉱物掛図の話の続き。実は、このあいだの掛図には相棒がいます(2枚セットで売っていました)。こちらは更に保存状態が悪く、べこべこになっています。デロールのカタログを見たら、相棒の方も、「No.234 鉱物 ― 50種、色刷り」として、名前が挙がっていま…

デロールの鉱物掛図

ついに8月。酷暑の中にも、秋の気配が忍び寄ります。スイカ、かき氷、蝉しぐれ、戦争の記憶、甲子園。地面にも、心にも、濃い影が落ちる季節。 ★さて、もったいぶったモノの正体は、デロールの鉱物掛図でした。光量の関係で、ちょっと写真がぼてっとしていま…

賢治の理科教材絵図(3)

賢治の科学観…というような話題を、コンパクトに書くことは、とてもできそうにないので、この件はしばらく寝かせておくことにします。 ここでは天文古玩的に「モノ」のレベルにこだわって、賢治の絵図について、気付いたことをメモしておきます。 (1)絵図…

賢治の理科教材絵図(2)

「雪の結晶と原子・分子」の図。 賢治が心をこめて描いた雪の結晶が愛らしいですね。ただ、全体構成からいうと、これは一連の絵図の中でも、かなり例外的な分野を扱っています。 これらの絵図は、描かれた目的からして当然ですが、広い意味での農学、つまり…