2017-01-01から1年間の記事一覧

3-D宇宙…『DEEP SPACE 3-D』(1977)

(昨日のつづき)アメリカで出た立体星図の中身を見てみます。作者のDavid Chandler氏については、何も知るところがありませんが、この星図が出た前の年、1976年に天文教具の制作・販売を手掛ける小さな会社(David Chandler Company, Inc.)をカリフォルニ…

3-D宇宙…序章

先日、ちらっと口にした「宇宙を立体視する」という話。まあ、今では最新のデータと連動した、それっぽいアプリがいろいろ出ているかもしれませんが、ここでは紙媒体に話を限定します。 ★このテーマを思いついたのは、昔、それこそ10年も前に、福音館の『立…

逝く年の思い出に

なんだかずいぶん長い時が経ったような気がします。旅先で拾った風邪が予想外に長引き、この間、ずっとぼんやり過ごしていました。別に高熱を発してうなされていたわけではありません。でも、身体がどこか本物でないような感じがして、文章を書くことを控え…

最高で行こう

今日もコミック絵葉書を1枚。昨日と同じく1950年代に、英・バンフォース社が出したもので、漫画の作者も同じ。「旦那さん、お部屋はこちらですよ。広告どおり『天にも昇る心地の眺め』でしょ!」昨日の記事は、「Heavenly Body」が、「天体」と「最高のボデ…

ジジイとは誰か

先々週から先週にかけて、後半は中国に行くために、前半はその前に仕事を片付けるために、フルで時間を使っていました。そして、気が付いたら今日はもう師走の18日ではありませんか。どこに時間泥棒が潜んでいるのか、まったく油断も隙も無い世の中です。 ★…

お知らせ

諸々の事情により、今日から来週いっぱい記事をお休みします。

世界の奥行

歳を取ると、いろいろなことを知ります。自身の能力の衰えはもちろんですが、他の人の能力の衰えを目にすることも、その一つです。身近なところでは親たちの衰え。このことは、多くの人が慨嘆しているので、私も知識としては知っていましたが、実際目にする…

吾いまだ月長石を知らず(後編)

(昨日の続き)月長石について「おや?」と思ったのは、先に引用した、加藤碵一・青木正博両氏の『賢治と鉱物』(工作舎、2011)に、以下の記述を見つけたことでした。「月長石/ムーンストーン」は、ラテン語のselenites の英訳です。現在の鉱物名としての…

吾いまだ月長石を知らず(前編)

今日は穏やかな冬晴れ。いよいよ師走ですね。カレンダーも残りわずかとなり、気ばかり焦りますが、ここは強いてのんびり行くことにします。 ★月長石のことを書いて、ちょっとおや?と思ったことがあるので、そのことをメモします。そもそも、「月長石」とい…

ムーンストーンの月

Moonstone ―「月の石」。アポロが持ち帰ったのも「月の石」で紛らわしいですが、こちらは英語だと「Moon rock」で、まったくの別物です。でも、英語版Wikipediaで「Moonstone」の項を見たら、「両者を混同してはならない」と、冒頭に断り書きがしてあったの…

THE MOON, Real & Decorative

時代はよく分かりませんが、古い月のブローチを見つけました。差し渡し約3cmの、かわいらしいサイズ。銀製で、しかもムーンストーンがはめ込まれている点が、いかにも月らしいと思いました。三日月の外縁部は、いぶし加工が施されているので、光の当たる角…

飛び出るクレーター

ルナ・オービターにちなむ品として、印刷ではない「生写真」が手元にあるので、この機会に載せておきます。「生写真」と言っても、昨日述べたような理由で、ルナ・オービターが撮影した本当の生写真は地球上に存在しないのですが、NASAが配布した紙焼き写真…

月の空を飛んだ兄弟の記憶(後編)

映像で月の名所を旅する…それだけが目的なら、「かぐや」のハイビジョンカメラ・アーカイブで簡単にできるので、この半世紀前に撮られた写真集に頼る必要はありません。でも、そこで味わえるのは人類史における「一大事件」を追体験する喜びであり、そこにこ…

さよならの時

犬や猫を飼っている人がよく漏らすのが、ペットの死を看取る辛さです。それが嫌さにペットを飼わないという人も多いようです。しかし、ヒトと犬・猫は、異なる時間の流れを生きている以上、そうしたすれ違いは避けがたいことです。私は犬も猫も飼っていませ…

月の空を飛んだ兄弟の記憶(前編)

年の瀬が近づき、街はすっかりクリスマスムードです。2017年ももうじき終わりですけれど、遅ればせながら2017年にちなんだ話題です。 ★今からちょうど半世紀前の1967年。人間の背丈ほどの人工天体が、月の周りを回りながら、課せられたミッションにせっせと…

至高の石

結晶形態学にちなむ優品――と敢えて呼びましょう――に続き、「至高の鉱物」を登場させます。ラ・ピエール・フィロゾファル、すなわち「賢者の石」です。卑金属を黄金に変える力を持つとされ、古来多くの錬金術師が探し求めた幻の石。そして、錬金術が神秘の学…

Crystals of Crystal(後編)

クリスタルガラス製の鉱物結晶模型の全容はこうです。(販売時の商品写真の流用。奇妙な手は、大きさ比較用のラバーモデル)この結晶模型セット、メーカー名の記載がどこにもありませんが、売り手であるイギリスの業者の見立てでは、1890年ころのドイツ製。…

Crystals of Crystal(前編)

(昨日のつづき)「結晶形態学プロジェクト」の雅味に沿い、かつ私が以前から憧れていたもの。それがこの黒い箱に入っています。(箱の大きさは、約29×20cm)この箱が届いたのは、去年の夏のことです。かなり無理な算段をしてこれを購入したのは、わずかなボ…

結晶形態学の薫香

創作ユニット「ルーチカ」のお一人であるTOKOさんから、「ルーチカ結晶形態学プロジェクト」のご案内をいただきました。■(公式サイト)ルーチカ結晶形態学プロジェクト http://stelklara.net/crystalmorphology/ 「百年前にX線結晶構造解析の歴史が始まる…

ついに解明された火星の謎

エクスの謝肉祭の件もそうですが、何事も「継続は力なり」で、こんなブログでも続けていれば、以前は見えなかったものが徐々に見えてくるものです。今日も今日とて、謎が1つ解けました。 ★下は以前登場した絵葉書。女A 「あら、金星が見えるわ」女B 「あ…

宇宙の謝肉祭(その4)

これまたエクスに登場した天文モチーフの山車。題して、「月の恋人たち(Amoureux de la lune)」。キャプションには年次も回数も記載がありませんが、消印から1915年の出し物と分かります。それにしても、これは何なんでしょう?アンパンマン的な何かと、バ…

宇宙の謝肉祭(その3)

南仏・エクスの町の「宇宙の謝肉祭」。ある年には、こんな幻想的な「三日月の山車」も登場していました。このブログでは先日来おなじみの、「月にピエロ」の取り合わせ。月の表情もいいし、星と流星の裾模様も洒落ています。タイトルの一部が切手に隠れて見…

宇宙の謝肉祭(その2)

昨日登場した、「Mars communiquant avec la Terre(火星と地球の交感)」と題されたカーニヴァルの山車。別テイクの絵葉書も購入したので、そちらも貼っておきます。(一部拡大)まあるい地球に覆いかぶさるように、巨大な星が接近しています。この星が火星…

宇宙の謝肉祭(その1)

最近、立て続けに妙な絵葉書を目にしました。「妙な」といっても、同じ被写体を映した絵葉書は、以前も登場済みです。それは、南仏・エクス(エクス=アン=プロヴァンス)の町のカーニヴァルで引き回された、星の形をかたどった不思議な山車を写したもので…

マッチをくわえた「月の男」(その3)

銅の月、銀の月とくれば、次は金の月の出番です。もちろん本当のゴールドではなく、金色に光る真鍮に過ぎませんが…今度の月は、丸まるとした満月。これまた頭部がふたになっていて、そこにマッチ擦り用のギザギザがあります。ときに、1枚目の画像と見比べて…

マッチをくわえた「月の男」(その2)

昨日のつづき。今日の「月の男」は白銀の月です。ただし金満家ではないので、純銀ではなくて銀メッキ。頭がパカッと開いて、中にマッチ棒が入るようになっているのは、昨日の「赤銅の月」と同じです。(大きさは昨日のより微妙に大きくて、高さは5.5cmありま…

マッチをくわえた「月の男」

今でもマッチはありますが、いつの間にか身辺からずいぶん遠い存在になりました。今やコンロでもストーブでも、自動点火装置が標準装備ですから、マッチはおろか、チャッカマンや100円ライターの出番すら減っていることでしょう。でも、こんなことで、「今の…

月の少女

今日は満月。下のカードは、1870年代~1910年代に、ニューヨークのジェームズ・パイル社が大々的に販売していた「パーライン洗濯石鹸」のおまけカード。星が「PEARLINE」の文字を描く空に、まん丸の月が浮かび、「月の少女(The Maid in the Moon)」を見つ…

二廃人、趣味の階梯を論ず

▽ よお、風邪はもういいのかい?● やあ、キミか。ありがとう、おかげさまでこの通りさ。▽ それは何よりだ。ところでどうしたい、沈思黙考を気取って。● 相変わらず口が悪いね。なに、ちょっと趣味のあれこれについて考えていたのさ。▽ 小人閑居してなんとや…

風邪を

…ひきました。