2014-01-01から1年間の記事一覧
人間の注意力には常に盲点があり、災厄は針の先ほどの隙をついてやってくるものです。大掃除も終わり、ホッとした気分でいたとき。奥の物を取り出そうと、ちょっと前の物を動かした瞬間、頭上からなだれ落ちた骨格模型。そして、その直撃を受けた昆虫標本。…
ときどきネットオークションで「オッ」と思うことがあります。たとえば上のようなアンティークの天球儀が売りに出ていて、お値段は…と見ると、これが日本円にして700円ちょっと。一瞬「?」と思いますが、上の商品は、実は「天球儀の絵葉書」だったというの…
先日、18世紀のスコットランド人、ジェームズ・ファーガソンが創案した「パラドックス・オーラリー」を話題にしました(http://mononoke.asablo.jp/blog/2014/11/29/)。地球・月・太陽の位置関係を、通常の三球儀とは違った観点から表現した天文教具です。…
もし土星に輪がなかったら、「木星の影の薄い弟」ぐらいにしか思われなかったでしょうし、天文趣味だって、どれほど寂しいものになっていたか知れません。 ★下は一冊まるごと土星に捧げた、19世紀における土星本の決定版。Richard A. Proctor の 『土星とそ…
昨夜、仕事から帰ったら小さな荷物が届いていました。中身は、フランス製の土星ピンバッジ。明るい色合いがいいなと思いました。クリスマス・プレゼントというには、あまりにもささやかですが、しかし、土星の神様・サターン(サトゥルヌス)を祝うのが、古…
夜と昼が交錯する、不思議な明るさをたたえた空。 ゆるやかな丘陵に、一人立つ樅の木。 その上を音もなく飛ぶ、流星の白い軌跡。私の好きな戸田勝久さんの絵葉書です。氏の絵は、すぐれて具象的な中に、豊かな幻想性を盛った、透明感のある作風を特徴としま…
いろいろ慌ただしいです。まあ、これが師走の正しいありかたなのでしょう。 ★さて、ブログを始めた頃の気分を思い出すために、この一文を書き始めました。そして、その目的は早くも達せられました。くだくだしく書くまでもなく、あのダンキンの『真夜中の空…
「あの頃は…」と、わずか10数年前のことを、仰山らしく回想するのもどうかと思いますが、しかし実感として、ずいぶん昔のことのような気がします。ダンキンの『The Midnight Sky』や、ギユマンの『Le Ciel』の実物を手に取ること―それは渇仰に近い気持ちでし…
再来週の今日は、新年も三日目となり、そろそろお正月ムードにも飽きてくる頃ですから、2015年もきっとあっという間に終わってしまうのでしょう。早いものですね。 ★そういえば思い出しましたが、「天文古玩」の前身は2つありました。1つはおととい書いた…
今日は雪。白一色の街は、まるで見知らぬ土地を歩いている気分になります。雪害に悩む地域の方には面目ないことながら、暖地の雪景色には、清新な気分が満ち満ちています。 ★かつて、ブログの1年は、人間界の20年に相当すると言った人がいます。1年更新が…
選挙も終わり、ここからまた将来のことを考えていかねばなりません。 人生は常に旅であり、旅には辛いことが付き物です。 でも、そのうちに目の醒めるような光景や、嬉しい出会いも必ずやあることでしょう。 ここ数日は、あきらかにいつもと精神状態が違った…
嵐の前の静けさ。選挙の結果と国の行く末も気になりますが、今日はのんびり思うところを書きます。(特に理科趣味とは関係ありません。) ★少しずつ年の瀬モードに入ってきて、大掃除の序盤戦のようなことを始めています。まあ、掃除のしようもない状態であ…
風邪もどうやら終息に向かいつつあります。世間では明日の選挙で、与党が圧勝するという予測が報じられていますね。あの人に白紙委任状を渡すことに、何のためらいもないのでしょうか。我が同胞の何と勇猛なることか!…と、別にそんな嫌味な言い方をしなくて…
ついに今シーズン初風邪です。しばし休憩します。 皆様もご自愛のほどを。
(前回のつづき)ヒトデのマークのゼーマン社。その製品とは、1920年代にさかのぼる、原生生物のスライドセットでした。しかし、それがこうなって…さらにこうなって…こうなるに及んで、この前書いた「陽気で派手好き」というゼーマン社の社是が、はっきり感…
ちょうど1年前、ヴァチカンの『禁書目録』の記事を載せたことがあります。■Don’t be curious.: http://mononoke.asablo.jp/blog/2013/12/07/7098165あのときは、特定秘密保護法に対するプロテストの意味合いがありました。その流れは依然続いていますが、…
世界の果てを目指して、土星まで行きました。世界はさらにその向こうに、限りもなく続いているので、当然、土星で一服した後、人はさらにその先を目指すのでしょう。でも、どこまで行っても、やっぱり「来てみれば さほどでもなし 富士の山」かなあ…という気…
誰もいない海岸。誰も見上げる者のない星空。大空をよぎる円弧に日光がきらきらと照り映える壮麗な夜明け(あるいは夕暮れ)。かつて土星には海があり、山があり、雲があると想像されていました。19世紀人の脳裏にのみ存在した、哀しいまでに美しいイメージ…
ぐんと底冷えがすると思ったら、とうとう雪が降りだしました。ずいぶん早い初雪です。 ★20世紀初頭の手彩色のガラススライド。元はストーリーを構成していた1枚でしょうが、今となっては、どんなプロットだったのか全く分かりません。夜の大氷原を歩く一人の…
ときどき、人はふっと遠くに行きたくなることがあります。すべての日常を捨て、無限の彼方に消え去りたいような気持になることが。私が…というよりも、一般論として、そういうことはあると思います。それが夢想にとどまらず、現実に失踪する人もいて、今だと…
昨日の記事は論旨が不明瞭だったと思います。もう一遍表現を整理すると、起電機からスパークする静電火花は、時空を超えた真理を体現している。奇怪な国策も、人間の欲望も、その真理の前では、一瞬の火花に過ぎない。理科教育とて、国策から自由ではいられ…
(昨日のつづき)昨日の絵葉書の特徴とは何か。女の子の服装からパッと分かった方もいらっしゃるでしょうが、これは内地の光景ではありません。絵葉書の裏面を見てみます。一目見るなり、「ああ満州か…」とつくづく思いました。満州、幻の帝国。欲望と憧れが…
はやぶさ2、まずは無事に船出できて良かったです。どうか航海が平穏でありますように。 ★一時、古い理科室の絵葉書をよく買っていました。何せ資料が乏しい分野なので、一次資料として絵葉書は非常に貴重だからです。とはいえ、無限にバリエーションがある…
桑原弘明さんのスコープ作品展が今月13日から始まります。■桑原 弘明 展〇会期 2014年12月13日(土)~27日(土) (日曜・祝日は休廊) 11:00~18:30 (公開時間 13:30、15:30、17:30)〇会場 GALLERY TSUBAKI 東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F…
オリオン、おうし、こいぬ、ふたご、ぎょしゃ…冬の空をゆったりと流れる乳白の川。いよいよ今日から12月。せわしない日常の中にも、静かな時間を大事にしたいです。(写真は少し以前に antique Salon さんで購入した幻灯スライド)
先ほどS.Uさんからコメント欄で、サロス周期がこのオーラリーで検証できるのでは?とご提案いただきました。サロス周期というのは、昔から知られている日食周期で、時間にすれば18年と10日ちょっと。すなわち、ある日・ある場所で日食が見られたとすると、そ…
このオーラリーの特徴は、月球そのものは省略されていて、代わりに月の公転軌道がリングで表現されていることです。そして、それが地球の公転面(黄道面)を示すリングと微妙にずれて取り付けられています。昨日も書いたように、その角度は5度余り。斜めから…
暗いニュースが多いですね。労働も、福祉も、教育も、社会が根っこから崩れる寸前のような感覚に襲われます。なんだかローマ帝国崩壊に際会した人のような気分です。もちろん国破れて山河あり、国家が破たんしても自然は変らずそこにありますし、その中で人…
犬もしてみむとてするなり。キャプションは、「ご主人様はこれで何を見てるのかな?」20世紀初頭の絵葉書。ロンドンの写真師、A. & G. Taylor撮影。愛らしいといえば愛らしいですし、よく撮れたなあとも思います。(この品は残念ながら落札できず、未練がま…
先日、素敵な品物がアメリカ・オレゴンから届きました。その品物については、いずれ稿を改めてきちんと書こうと思いますが、それに絡んで驚いたことがあります。すでに売り手の方とは何度かメールでやりとりし、ビジネスライクな雰囲気から、少し打ち解けて…