2023-01-01から1年間の記事一覧

遊ぶ子供の声聞けば

いよいよ大晦日。なんだかんだ言いながら、今年もいろいろなモノを手元に引き寄せて、当人は大いにご満悦です。(ついさっきも、「あ、いいな」と思った古絵葉書をまとめて注文しました。)まあ、他人から見れば愚かしいことかもしれませんが、家族がちょっ…

衝撃の出会い…松村巧氏のこと

来年の1月で、「天文古玩」が始まって早18年になります。この間、天文アンティークの周りを常にウロウロし、それにまつわる話を見聞きしてきたわけですから、「見るべきほどのことは見つ」…とまでは言わないにしろ、何となく心のうちに既視感が広がっていた…

星夜独酌

先月、11月21日の記事の一部を再掲します。-----------(引用ここから)----------ワインと12星座で検索したら、こんな記事がありました。■What’s Your Sign? Matching Wine To Your Zodiac (あなたの星座は?ご自分の星座にあったワインを) https://winef…

聖夜の星

1920年頃のガラススライド。ごらんのように周囲の保護フレームは厚紙製で、フレームを含む全体は8.3×10cmあります。厚紙に空押しされた文字は、「VICTOR ANIMATOGRAPH CO.」。こういうスライド形式は、ビクター・アニマトグラフ社(1910年創業)の専売で、一…

Constellations a la Rococo

先日、スウェーデン生まれの美しい星図を話題にしたとき(LINK)、「そういえば、この星図は例の本に載っていたかな?」と気になりました。「例の本」というのは、星図コレクターのロバート・マックノート氏が編んだ、19世紀~20世紀前半の作品を中心とする…

博物画の魅力

山田英春氏の近著、『美しいアンティーク鉱物画の本(増補愛蔵版)』(創元社、2023)を書店で見かけ、さっそく購入しました。出版前から一部では話題になっていたので、すでに購入済みの方も多いことでしょう。2016年に出た初版とくらべると、判型も大きく…

雑草のくらし

先日、新聞紙上でその訃が報じられた甲斐信枝氏(1930-2023)。その代表作が『雑草のくらし―あき地の五年間―』(福音館、1985)です。京都・比叡山のふもとの小さな空き地に、著者は5年間通い詰め、その観察とスケッチをもとに本書は作られました。甲斐氏の…

スウェーデン生まれの極美の星図

(前回のつづき。今日は2連投です)この地図帳と星図の存在は、dubheさんのツイートで教えられました。博物画を専門に商い、豊富な知識と鋭い鑑識眼で知られるdubheさんをして、「星図は個人的には19-20世紀で最も美しい図版と思ってます」と言わしめた、こ…

北欧世界地図帳

今日はひさしぶりの休日。記事を再開します。 ★前回登場したいわく付きの地図帳ですが、あの地図帳には、さらに長い前史…というほどでもありませんが、経緯があります。あれを注文したのは、前述のとおり今年の9月でしたが、私は同じ本を5月にも一度注文して…

疲れる話

師走ということもあって、なんだかんだ忙しいです。当分は「月月火水木金金」で、昨日も今日も出勤です。 ★その一方で、ずっと心に刺さっていたトゲが抜けて、ちょっとホッとしました。それは9月に購入した本をめぐって、売り主であるスウェーデンの古書店主…

ポラリスへの旅

荒唐無稽であることは変わりませんが、昨日の本よりも高めの年齢層を意識し、そこに科学的フレバーをまぶすと、こんな本になります。■Charls S. Muir (著) A Trip to Polaris or 264 Trillion Miles in an Aeroplane. The Polaris Co. (Washington, D.C.),…

星への旅

こんな品を見つけました。表面に「POST-BOOK」とあります。ひょっとしたら今でもあるのかもしれませんが、当時は切手を貼るとそのまま投函できる、こういう小さな絵葉書サイズの絵本があったらしいです。「星への旅 A Trip to the Stars」。タイトルページを…

December, day by day

カレンダーも残り1枚。ほんとうに驚くべき時の速さです。でも、世間には「時よ、もっと速く!もっと速く!」と願っている人もいます。それはクリスマスを心待ちにしている子どもたち。そんな子どもたちのお楽しみが、12月1日からスタートする「アドベントカ…

悲運の人、レピシエからの便り(後編)

(前回の続き)近代日本天文学の一番槍、エミール・レピシエ。その人の自筆書簡をイギリスの古書店で見つけました(もちろんネットカタログ上でのことで、それも狙ったわけではなく偶然です)。(紙片の大きさは約11.5×13cm)上がその全容。書簡といっても紙…

悲運の人、レピシエからの便り(前編)

なんぼ酔狂な私でも、”天文古玩”と称してマッチラベルばかり集めているわけではありません。天文学史の王道といえる品を手にして、しばし思いを凝らすこともあります。 ★エミール・ レピシエ(Emile-Jean Lépissier、1826-1874)という人がいます。一般には…

重い目で月と木星を見る

風邪でずっと寝込んでいました。でも月と木星の大接近は、私が風邪を引いたからといって待ってはくれませんから、昨夜は床の中から、この天体ショーを眺めていました。せっかくだから…と、だるい身体を起こして双眼鏡を持ってくると、双眼鏡の視野の中でも両…

マッチ棒の星座

マッチラベルに執着するようですが、手元の紙モノファイルをめくっていたら、こんな品が出てきました。一瞬「?」と思いますが、マッチ箱にはマッチ棒の星座絵を…という至極シンプルな発想なのでしょう。見るからに愛らしいです。天上で燃える星と、指先で燃…

ワインと12星座

同じポルトガル燐寸社のマッチラベルで、別タイプの12星座もありました。時代はたぶん似たりよったりでしょうが、こちらは下半分が企業広告になっています。仰々しい紋章とともに1756年創業の歴史を自慢してるのは、ポルトガルのワインメーカー、レアル・コ…

青い12星座のマッチラベル

青藍の背景色が美しい、12星座をモチーフにしたポルトガルのマッチラベル。実はこれがちょっと訳ありの品で、イギリスの売り手がうっかり「JAPAN」の代わりに「USA」と封筒に書いてしまったため、その後どこをグルグルしたかは分かりませんが、待てど暮らせ…

生死去来 落々磊々

以前、こんなセピア色の写真を手にしました。1890年に撮影された古写真です。被写体はピサの大聖堂脇にある墓所(カンポ・サント)の壁面を飾る、14世紀のフレスコ画、「死の勝利(Il Trionfo Della Morte)」。ひたすら黙想する隠修士の群れ(左上)。棺桶…

月の風流を嗜む

昨年、ジャパン・ルナ・ソサエティ(JLS)のN市支部を設立し【参照】、その後も活動を続けています。毎月の例会では、当番の会員が月に関する話題を提供し、みんなで意見交換しているうちに、いつのまにやら座は懇親の席となり、座が乱れる前に散会するとい…

大地は亀の背に乗って

余談の余談になりますが、「古代インドの宇宙観では、象が大地を支え、それを亀が支え…」というと、「ああ、あれはどうも嘘らしいよ」と思われる方が一定数おられると思います。ここで嘘というのは、「大地が象や亀に支えられている」のが嘘というだけでなく…

彗星と赤い目をした象(後編)

以下、どちらかといえば余談ですが、昨日の版画の作者を付記するとともに、ネットの威力に改めて感じ入ったので、文字にしておきます。 ★まず作者のサインを、改めて見てみます。これを何と読むか? 元の売り手の方は、「Alan C. Naiman」と読みつつ、そこに…

彗星と赤い目をした象(前編)

ギリシャ神話だと、天空はアトラス神によって支えられています。一方、インドでは古来、巨大な象や亀が世界を支えていることになっています。最近、こんな版画を見つけました。「USMC/地球を支える象の版画/作者サイン入り/86年ハレー彗星」と題して、eBa…

アトラスの後姿

1つ前の記事の冒頭で、何か身辺多忙的なことを書きました。まあ、それは嘘ではないにしろ、でもこのところの自分の状態を振り返ると、それ以上に鬱っぽかったなあ…と思います。ちょっとしたことがひどく億劫に感じられました。でも、その一方でモノはせっせ…

赤い巨人との対話

閑中自ずから忙あり―。いろいろゴタゴタして、ブログも放置状態でした。でも、昨日とても嬉しいお便りをいただいたので、これはぜひ文字にせねばなりません。内容は本格的な天文学に関するもので、お便りの主は変光星観測家の大金要次郎氏です。 ★今、冬の巨…

碧い彗星を見上げて

イスラエルの人から何か物を買ったことがあるかな?…と思って調べたら、買ったのはイギリスの人でしたが、イスラエル製の彗星ブローチを見つけました。孔雀石をメインに、繊細な銀線細工を施した美しいブローチです。売り手の人は、ミッドセンチュリーの品で…

金緑の古星図

これまた東洋趣味の発露なんですが、韓国郵政(Korea Post)が2022年に、こんな美しい切手シートを出しているのを知りました。(左側の円形星図の直径は約14cm)切手といっても、ミシン目のある昔ながらの切手ではなく、最近はやりの「切手シール」による記…

続・仙境に遊ぶ

海の向こうの本屋と揉めている…と、以前チラッと書きました。あの件は実はまだ揉めていて、結局、PayPalの買い手保護制度を利用することにしました。ここまで話がこじれることは稀なので、同制度の利用は今回で2度目です。相手だって、大抵は常識を備えた人…

仙境に遊ぶ

昨日のおまけ。名古屋市科学館を出た私は、実はそのまま帰宅せず、お隣の名古屋市美術館を訪ねました。そこでの経験も書いておきたいと思います。 ★同美術館では11月9日(日)まで、「福田美蘭『美術ってなに?』」展が開催されています【LINK】。福田美蘭氏…