2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

夜空の大三角…抱影、賢治、足穂(5)

賢治と抱影のかかわりは、実は戦前ないし戦中に遡りそうだ…ということを、コメント欄でS.Uさんにお教えいただきました(どうもありがとうございました)。昭和28年に草下英明氏の『宮沢賢治と星』が出た際、抱影がその感想を、自分の弟子でもある草下氏に葉…

夜空の大三角…抱影、賢治、足穂(4)

足穂は「銀河鉄道の夜」を一読するなり、それを映像化したいと思いました。それもフルカラー作品で。 「草下自身もそのことを主張していた。彼の手紙から引用して、私が彼の意見に異議をもっていない証拠にしたい― まず最初にカムパネルラ少年が溺れる場面は…

夜空の大三角…抱影、賢治、足穂(3)

足穂には、賢治を正面から評した、ズバリ「銀河鉄道頌」という短文があります。初出は「ユリイカ」1970年7月臨時増刊号で、この号は「総特集 宮沢賢治」と銘打っていました。雑誌の方は未見ですが、この一文は後に『タルホ入門―カレードスコープ』(潮出版社…

夜空の大三角…抱影、賢治、足穂(2)

賢治は3人の中ではいちばん早くに亡くなり、今でこそ世間的にいちばん高く評価されていると思いますが、生前は作家として十分認知されていたわけでもなく、将来自分が他の2人と並んで語られることになろうとは、全く予想もしていなかったでしょう。(そもそ…

夜空の大三角…抱影、賢治、足穂(1)

星座図の話題に関しては、新たに発注をかけたものがあるので、それが届くまでちょっと寝かせておくことにして、先日、石田五郎氏をめぐる記事に頂戴したコメントに触発されたことがあるので、それを先に書きます。 ★野尻抱影(1885-1977)、宮沢賢治(1896…

ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(6)

前回出てきたセラリウスの『大宇宙の調和』のファクシミリ版。この際ですから(どの際?)、その細部を一瞥しておきます。ファクシミリと言っても、電送ファックスとは(語源を除けば)無関係で、ここでいうファクシミリとは「複製本」のこと。世にファクシ…

塔を愛でる

(昨日のつづき)私が憧れる家、それは「塔のある家」です。たぶんその起源は、学生の頃に見た(≠読んだ)C.G.ユングの自伝にあります。ユングは1920年代に、チューリッヒ湖のほとりに「塔の家」を建て、その後30年余り延々と増改築を繰り返しました。それは…

家づくり、モノづくり

昨日は「あの」スチームパンク大百科(http://steampunk.seesaa.net/)で名高い、五十嵐麻理氏の書斎を訪問させていただく光栄に浴しました。 あまり詳らかに語ると麻理さんにとってご迷惑でしょうから、多くを語りませんが、住居の外観からして意表を突かれ…

ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(5)

さて、ぼちぼちジョバンニの記事を再開せねばなりませんが、今回の星座図の話題は、けっこう書くのに苦労しています。というのは、あまり深く考えずに書き出したため、途中でいろいろほころびが生じてしまったからです。たとえば、「ジョバンニが見たのは、…

Among the Stars

人の縁、人の出会いとは不思議なものです。そのひとつひとつが、すべて星のあいだで起きる物語。今日もまた星の世界で会いましょう。 ★「写真は本文とは関係ありません」と書くべきところですが、それではそっけないので、簡単に書誌だけ挙げておきます。■Ag…

石田五郎氏のこと(2)

石田五郎氏の『天文屋渡世』。この本は昭和63年(1988)、筑摩から出ました。昭和20年代から60年代まで、石田氏があちこちの新聞・雑誌に書いたものを集めた文集です。この本を再読して、改めて「へええ」と思ったことがいくつかあります。それらはいずれも…

石田五郎氏のこと (1)

雨の音を聞きながら風呂に入っていたら、途中からシャリシャリという音がまじり出し、どうやら雨がみぞれに変わったようです。冷たい滴が空から無性に降ってきます。 ★かなたに星に惹かれる歌舞伎役者あれば、こなたに歌舞伎に惹かれる天文家あり。団十郎の…

星と荒事…團十郎逝く

ジョバンニの話題は小休止。 ★十二代目・市川團十郎(以下、団十郎)、本年2月3日寂。享年66歳。歌舞伎役者の彼が、天文趣味人であったことは、わりと知られているエピソードのようで、ウィキペディアにもチラッと書かれています。団十郎さん…という呼び方は…

ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(4)

(本日は2連投です。前回の記事からお読みください。)星図のパターンとしてよくあるのは、南北両天を左右に並べた形式です。たとえば↓に掲げたのは、ドイツのゾイッター(Mattheus Seutter 1678-1756)の天球図、「Planisphaerium Coeleste」(1750)。(ア…

ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(3)

天気晴朗なれども、昨日も今日も冷えこみます。記事の書き方を忘れないように、ぼちぼち話を進めます。 ★時計屋の店先に飾られていた星座の図。<サイズ>については、前回の記事で書いたように、円形星図ならば直径4~50cmクラスの大きさだと想像します。ま…

小忙し

不測の用務が重なったため、「ジョバンニが見た世界」の筆が止まっています。再開まで数日かかりそうです。

ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(2)

「大きな星座の図」の「大きな」とは、どれぐらいの大きさを言うのか。あまり意味のある問いではないかもしれませんが、話の流れからちょっと調べてみました。前提として、ジョバンニが見たのは、空一面の星座を1枚の紙に描きこんだ集合星図ですから、おそら…

ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(1)

(特に記事とは関係ありませんが、↑は平成7年に、千葉市立郷土博物館 と 府中市郷土の森博物館 で開催された「星座の文化史」展の図録)このシリーズ、まずは「午後の授業」の場面、次いで「時計屋」の場面を順々に検討してきましたが、7年かけてついに最後…