長野まゆみ
平成の初め、1991年から92年にかけて出た、長野まゆみさんの「天球儀文庫」。「月の輪船」、「夜のプロキオン」、「銀星ロケット」、「ドロップ水塔」から成る四連作です。長野作品の定番である、二人の少年を主人公にした物語。本作では、それぞれアビと宵…
ゴソゴソしているうちに、昨日の記事に関連してこんな品も見つけました。神戸市役所が発行した、「開港五十年祝賀記念」の絵葉書です。神戸開港50年というのは、大正10年(1921)のことですから、だいぶ古い話です(一昨年が開港150年でした)。中身は美しい…
京都での足穂イベントに無事参加できることになり、今からワクワクです。そして同時に、6人の作家によるオマージュ展「TARUHO《地上とは思い出ならずや》」が、神戸で開催中であることを知りました。(以下、「美術手帖」の催事紹介ページから引用)■稲垣足…
先日話題にした旧制盛岡中学校の天文同好会。コメント欄でmanami.shさんから続報をいただき、衝撃を受けたので、他人の褌を借りる形になりますが、これはどうしても記事にしなければなりません。 ★manami.shさんは、同中学校の校友会雑誌を通読され、天文同…
長野まゆみさんの『天体議会』。この1991年に発表された小説のことは、かつて集中的に取り上げました。それは作中に登場するモノを現実世界に探し求めるという、何だか酔狂な試みでしたが、その試みは途中で中断したままです。唐突ですが、今日はいきなり最…
あまり意味がないとは思いながら、つい集めてしまうものがあります。例えば以前、鉱物クラブやミネラル・ショーのバッジ類を盛んに集めていました。それは既に箱一杯で、これ以上増えることもないでしょうが、なぜ鉱物そのものではなく、バッジに執着したか…
今から25年前、宮沢賢治だけをテーマにした雑誌『アルビレオ』というのが、賢治の故郷岩手で産声を上げました。ビジュアル面を重視した、なかなか洒落た感じの雑誌でしたが、俗に言う「3号雑誌」の例に漏れず、『アルビレオ』もわずか3号で休刊を余儀なくさ…
唐突ですが、懐古&回顧モードで、長野まゆみさんのことに話題を横滑りさせます。 ★以前、長野氏の『天体議会』を取り上げ、作中に出てくるモノを考察するという、我ながら閑雅な試みをしましたが、そこに「蚤(ピュス)ゲーム」というのが登場しました。■天…
自民党の面々はよくやるなあと思います。右派の論陣を張るのは、健全な政治活動である限り結構なことですが、その行動面に注目すると、最近はまさに「やりたい放題」で、これは「おごっている」と言われても仕方ないんじゃないでしょうか。おごれる者は何と…
青い光を切り取るカメラが欲しいと思いました。といって、カメラ趣味はないので、実際に切り取ることはしません。イメージの中での話です。真っ青なボディの35ミリ二眼レフ。旧ソ連(現ウクライナ)にあったカメラメーカー、FED(F.E. Dzerzhinsky factor…
9月も残り1日あるので、おまけとして第2章の冒頭に戻って、銅貨が10月の星図を眺めていたシーンについて、もう1回だけ書きます。問題のシーンは、「十月の星図(1)」↓の中でも引用しましたが、こんな具合でした。http://mononoke.asablo.jp/blog/2013/08/2…
自分で言うのもなんですが、この一節を再現するために、私はかなり努力しました。まず「瑠璃青の円い罐」を見つけるまでが一苦労。実際には、作者は「浅田飴」の青い缶あたりをイメージしたのかもしれませんが(※)、それではあんまりなので、瑠璃青のコフド…
「箸休め」が続きます。 ★今回(2)と銘打ちましたが、「水蓮の目から零れた碧い石」の(1)は以下。http://mononoke.asablo.jp/blog/2013/08/23/6955616謎の少年によって水蓮のまぶたから取り出された碧い石は、いったん水蓮のものとなったのですが、それ…
(昨日のつづき)これもWillsのスターマークがついた逸品、「FOUR ACES」。これまた「天体議会」の世界にふさわしいスマートさが感じられるのでは。こちらはライカ犬のスプートニクと対になる、群青色の「ボストーク」。キラキラした星、青い月の前で紅の焔…
「天体議会」の銅貨と水蓮、あるいは「クシー君シリーズ」に登場するクシー君とイオタ君のふたりが、「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカンパネルラのふたりと大いに異なるのは、彼らがやたらにタバコをふかすところ。この点において、彼らは「賢治の子」であ…
こうして水蓮と銅貨はちょっとした「事件」を体験し、ふたたび天体議会の会場である海洋気象台まで引き返してきたのですが、時計はすでに7時過ぎ、完全に遅刻です。屋上には天体議会のメンバーで、音楽部に所属する鷹彦が、たった一人居残り、両名が来るのを…
ペンシルロケットを海洋気象台の屋上から発射した水蓮と銅貨。しかし、どうやら打ち上げは失敗し、目標地点のはるか手前にロケットは落下してしまいます。「高速軌道〔カプセル〕の橋のあたりじゃないか。」 銅貨は北側の手摺に駆け寄り、山の方角に目を凝ら…
水蓮と銅貨の二人が、ペンシルロケットの打ち上げを準備しながらの会話。「昨夜〔ゆうべ〕、フィルム図書館で借りた真珠母雲〔しんじゅもうん〕と夜光雲の観測映画を見たんだ。なかなか面白かった。真っ黒な夜天〔よぞら〕で、雲の縁だけが白銀に煌き、海月…
ときに、先日「水蓮の製図ペン」の話題を書いたとき、皆さんのコメントを読んで、自分もガラスペンを、それも胸ポケットに収まりのいい万年筆型のものが欲しいと思い、注文したのですが、それがやっと届きました。(キャップ装着時)(キャップを外したとこ…
台風一過の秋の空。 ★『天体議会』の主人公、銅貨と水蓮には、「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカンパネルラの影が差していると、多くの方は感じるのではないでしょうか。長野まゆみという作家に宮沢賢治が影響していることは、ご自身がいろいろなところに書…
昨日登場した白銀のペンシルロケット。なかなかスマートでカッコいいと自画自賛していますが、昨日の記事には一つ嘘が交じっています。もうお分かりの方もいらっしゃるでしょうが、あのロケットは空を飛びません。いや、ひょっとしたら、お尻から火薬をギュ…
エアコンの世話になる頻度も減って、夕方ともなれば、しきりにコオロギが鳴きます。暑い暑いと言いながら、やっぱり秋ですね。空の色もこまやかになってきました。毎年のことですが、今年はいろいろあってすっかり心が弱くなっているので、何だか無性に寂し…
水蓮が手にしていた製図ペンに関する前々回の記事(http://mononoke.asablo.jp/blog/2013/08/30/6965379)に貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。今回の話題は、個人的に完全にアウェイの話題ですので、皆さんのお話をフムフムとお聞きするし…
管理人の予想をはるかに超えて、天体議会ネタが続いています。この先いつまで続くのか予想もつきませんが、折々は別の話題をはさみながら、もうしばらく続けることにします。 ★さて、水蓮が手にしていた極細の製図ペン。普通に考えれば、今風のロットリング…
前回書いたように、天体議会の招集方法は、こっそりメンバーのロッカーや抽斗に開催通知を忍ばせておくというもので、その通知を作成するのは、「議長」である水蓮の役割です。「本日、議会招集。ジュラルミンの天使およびアンタレスの星食観覧。集合時刻は…
ここで話の順序として、本作品のタイトルであり、第2章の章題にもなっている「天体議会」とは何であるのかを、説明しておかなければなりません。 議会とは天体観測を趣味にしている生徒たちの集りで、大半は理科部に所属していた。銅貨や水蓮もその例に漏れ…
ざっと雨が降り、今日はクーラー要らずの日でした。自然の風に吹かれて気持ちよく昼寝をするという、最高の贅沢を満喫しました。 ★あまり『天体議会』とは関係ないのですが、「10月の星図」と聞いて思い出した星図帳があるので、この機会に載せておきます。■…
水蓮と銅貨が、行きつけの鉱石倶楽部で謎の少年と謎の出会いをした第1章。第2章「天体議会」は、それから1か月後、10月の校内からスタートします。 少年〔ガニュメデス〕の持つ水瓶から零れる水を、南の魚が飲んでいる。ひときわ煌〔かがや〕く一等星は、魚…
甲子園が終わり、ツクツクボウシが鳴きだし、今日は遅めの夏休み。午後からは久しぶりの雨だと天気予報は告げています。このところ不調が続いていたので、心と身体を休めろという天啓でしょうか。昨日の「蚤ゲーム」は、ひょっとして滑ったかな?と危惧しつ…
鉱石倶楽部のカウンターに置かれた「蚤ゲーム」のイメージ。箱のふたを開けたところ。箱の大きさは27cm×15cmほどあります。内容は、赤・白・黄の3色のチップ、木製のカップ、濃緑の厚紙ボード、それに遊び方の説明書が付属しています。ボードにはいろいろマ…