2026-01-01から1年間の記事一覧

謹告

前回の記事を投稿しようとしてログイン画面に入ったら、次のようなアナウンスが表示されていました。 アサブロにこれまでなかった、ブログのエクスポートサービスがついに始まったのです。しかし一連の流れを考えれば、これこそ「終わりの始まり」に相違なく…

閑語…世界はうつろう

暦は9月。 残暑は相変わらずですが、夏の名残のツクツクボウシの声も間遠になってきました。それと入れ替わりに、昨日は浴室の窓越しにリーリーという良い声が聞こえてきて、しみじみ秋を感じました。コオロギの代表種、ツヅレサセコオロギの鳴き声です。 地…

爽やかな天文教科書

昼のお星は眼に見えぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。金子みすゞの詩のように、たとえリンクが開かなくても、このブログは確かに存在するのです。そう、見えぬけれどもあるんだよ。…と、ことさら書かないといけないのが苦しいです…

さらに月をまとう

前回の品はバックルでしたが、そこから連想した品があります。これまた月をまとうための品ですが、その雰囲気は驚くほど違います。月に柳の扇子をデザインした帯留(おびどめ)。月を扇子に描き、さらにその扇子を木に彫って帯留をこしらえるという、考えて…

月星をまとう

相変わらず暑いですね。さっき気になって調べたら、CO2増加に伴う地球温暖化とは別に、近年は地上に到達する太陽熱エネルギー(全天日射量)そのものも増えているんだそうです。気象庁のデータ【LINK】を参照すると、東京の7月観測値(単位はMJ(メガジュー…

「太古の遺物」の遺物

今もあるかもしれませんが、昔の小学校には「社会科資料室」というのがあった気がします。「社会科準備室」という名称だったかもしれません。掛図やら大きな地球儀やら、古ぼけた年表やらがしまってある部屋で、いわば理科準備室の社会科版です。昨日の記事…

夏こそ地史研究、「いざ掘らん」

夏休み。自由研究の季節です。自由研究の好伴侶となる本を見つけました。■富士川 滋(著) 『地史研究 採集鑑定便覧』 昭和2年(1927)、厚生閣ほぼ100年前に出た地質趣味のガイドブック。ここで仮に「地質趣味」と書きましたが、この本の中身を一言で表現す…

月の霊廟

8月6日、9日、15日。日めくりを見ながら、さまざまな思いが胸に去来する時期です。季節柄、天文古玩的にこんな絵葉書を手にしました。月と星に照らされた大鳥居。「(大東京夜の美観)星輝〔せいき〕澄む夜の靖国神社と大鳥居」と題された1枚です。戦前、ま…

ある大望遠鏡の問わず語り

アドラー・プラネタリウムのステレオ写真といっしょに、こんな品も手にしました。何かがグルングルン回っています。最初見たとき、古典的錯視図形である「フレイザー錯視」を連想しました。どう見ても渦巻模様なのに、実は同心円というやつです。(フレイザ…

寂滅為楽

夭逝する人、齢を保つ人。前者を思えば、人間、老いを迎えることができただけでも儲けものだ…と思わないといけないのでしょう。ブログにも老いと死はあります。この「天文古玩」は、ブログとしては長寿を保った部類でしょうが、書き手である私の老いとともに…

Adler at Night, Again

最近、記事の生産力が落ちているのは、もっぱら年齢のせいです。それに加えて今週はなかなか忙しく、自分の時間がほとんど持てませんでした。でも、昔は忙しくても毎日のように更新していたわけですから、年齢の影響はやはり明白です。 ★ぽつんと灯る街灯。…

回れ、天文時計

私のコレクションに大きな進展がありました。私が意識して集めているテーマはいくつかあるのですが、その一つに「天文時計のメカニカルポストカード」という、異常にこまかいコレクションがあります。このテーマで収集活動をしているのは、たぶん世界中で私…

酷暑、熱死

今週いっぱい、ことによると来週も、恐ろしい暑さが続きます。地元名古屋では、今日も最高気温40度の予想。今年は「酷暑日」という気象用語が生まれ、ニュースでは嬉々として使われていますが、まったくいやはやです。見苦しいごみ袋の写真で恐縮です。昨日…

月の歌

3連休。徒長した枝を整理するために、昨日もおとといも庭木をちょきちょき伐っていました。もちろん熱中症対策をした上でのことです。でも、対策をしたからといって、暑くてしんどいことに変わりはありません。ますます暑くなりゆく世界と、衰えゆく自分。こ…

コマチアイト

(昨日のつづき)「コマチアイト」という名称は、南アフリカのコマチ川で発見されたことから付けられたもので、小野小町とはもとより何の関係もありません。私にコマチアイトの存在を教えてくれたのは、天文界の大先達である藤井常義氏で、氏の化石コレクシ…

小町石

老残のこと伝はらず業平忌 登史郎 平安時代を代表する美男子・在原業平は、若年の艶っぽいエピソードこそ有名ですが、老いてから後のエピソードは伝わらないことを詠んだ句です。業平忌は旧暦5月28日で、新暦に直すと今年は7月12日がそれに当ります。彼はち…

光学の授業

この「天文古玩」も、すでに20年以上の星霜を経ています。この間、いろいろな話題を取り上げ、多くの品を登場させました。でも、この狭い部屋の中に限っても、ここに登場してない品はまだまだたくさんあります。しかし、それは登場する価値が無いからではあ…

彗星の思い出

いつの間にか七夕も終わってしまいました。この間、ボンヤリ過ごしていたわけではなく、むしろバタバタしていたのですが、バタバタ続きだと、空白の時間には一層ボンヤリしてしまって、なかなか記事が書けませんでした。でもそういうのは精神によくないので…

エフゲニディス・プラネタリウム

白地に薄灰青と緑青色の配色が上品で涼しげな初日カバー。いかにも夏向きの感じですが、押された消印は1965年10月21日付けで、発行されたのは秋真っ盛りの頃です。このドームをいただいた建物は、1966年6月7日にアテネにオープンした「エフゲニディス・プラ…

蒐集無慙

このところ収集欲が比較的おとなしかったです。まあ恒常的にモノは買っているのですが、「あ、いいな」と、軽い気持ちで買うものが大半で、眼球がひっくり返って、目が血走るような買い物とは少し距離がありました。当然、その方が精神衛生にとっては好く、…

賢治の心象、心象の賢治

書店に寄ったら、パッと目に付いた本。■別冊太陽 日本のこころ333 『宮沢賢治 詩の世界 ― 心象スケッチを旅する』 平凡社、2026「そうか、今年は賢治の生誕130年か…」と思いました。彼は1896年に生まれ、1933年に没しました。7年後の没後100年の折には、きっ…

クラウド・コレクターの肖像

『雲の「発明」』(扶桑社、2007)は、だいぶ前に買ったのが、そのまま積ん読本の山の中に置かれていました。そもそもこの本を買ったのは、当時ルーク・ハワードに関心が向いていたからですが、しかし関心があっても、本というのはタイミングが合わないと、…

雲を発明した人

前回、雲についての本を紹介し、「層雲・積雲・巻雲」という名称に触れました。この3分類を考案したのが、英国人ルーク・ハワード(Luke Howard、1772-1864)で、このところずっと彼の伝記を読んでいました。■リチャード・ハンブリン(著)、小田川佳子(訳…

雲がおしえてくれること

きょうは昼食をとって横になったら、そのままぐっすり眠ってしまいました。目が覚めたらもう4時を回っていてビックリしました。先週からいろいろあって、きっと疲れがたまっていたのでしょう。でも、今の時期はそんな時刻でも、窓のむこうには明るい空が広が…

タルホの夕べ(芦屋にて)

昨日は芦屋の月光百貨店で開催中の「月を賣る店」にお邪魔し、画家・装幀家の戸田勝久氏、そして歯科学のご本業の傍ら、古書と出版史を研究されている小野高裕氏の対談を拝聴してきました。お二人の話に時の経つのを忘れましたが、同時に会場を埋め尽くした…

月の老女

大工町寺町米町仏町 三日月買う町あらずや つばめよ ―というのは寺山修司の歌で、本当は「三日月」のところに「老母」が入ります。彼の舞台作品『身毒丸』を連想させる、何かただならぬ気配の歌です。ここで三日月を入れたのは、もちろんイベント「月を賣る…

ティコ・クレーター

月を売る店があれば、月を買う客もいます。現に私はこれまでずいぶん月を買ってきました。 ★月面を覆う無数のクレーターの中でも、その鮮やかな光条でひときわ目立つ「ティコ・クレーター」。("Tycho Crater on the Moon", ©NASA/Goddard/Arizona State Uni…

月を賣る店

前回話題にした「ゼーンズフト(憧憬)」。その言葉自体は、1800年前後のドイツで盛んに用いられたものかもしれません。でも、その意味合いを知ってみれば、そうした思いを心に抱く人は、21世紀の日本にも少なからずおられることでしょう。ゼーンズフトの徒…

ゼーンズフト

AIを相手に調べ物をしているうちに話がそれて、コレクションのことが話題になりました。そして、“私が探しているのは、この世のどこかにあるはずの、理想の「夜の断片」だ”と告げたところ、AIが突如核心をつく答を返してきました。それは心理学や哲学の言葉…

飛べ、北極星を友として…巨大飛行船の時代

記事の間隔が空くと、「久しぶりだから、しっかり中身のあるものにしないと…」というプレッシャーを感じることがあります。もちろん気にするのは当人だけで、他の人にとってはどうでもいいことでしょうし、そもそもこのブログは人の目に触れることがほとんど…